私たちの周りには、デザインがあふれています。街を歩けば、看板、パッケージ、広告、ウェブサイトなど、目に入るものすべてが、どこかしらにデザインの痕跡を残しています。デザイナーとして働く私は、このデザインとともに生活する日々を送っています。デザインは仕事であり、趣味であり、そして何より生活そのものに深く根ざしているのです。

日常に潜むデザイン

デザイナーという仕事をしていると、どこにいても「デザイン」が気になってしまいます。カフェで飲んだコーヒーのカップのデザイン、公共の交通機関の案内表示、スーパーの棚に並ぶ商品のパッケージ。それらすべてが、私たちの生活を便利にし、楽しくしてくれるデザインの一部です。時には、街中で目にする広告がその日一番のインスピレーションになることもあります。

私は、毎日の仕事に追われる中でも、こうした日常の中のデザインに目を向けることを大切にしています。なぜなら、広告やパッケージデザイン、ウェブデザインなど、どんなデザインも「使う人」や「見る人」に向けて作られているからです。デザイナーは、常に「誰のためのデザインか」を意識している職業だと思っています。

広告とデザインの密接な関係

特に広告のデザインには、視覚的な魅力だけでなく、メッセージ性が重要です。私がデザイナーとして広告を手がけるとき、そのビジュアルに込めるべきメッセージを深く考えます。広告は単なる「目立つため」のものではなく、ブランドの価値やアイデンティティを伝える重要な手段だからです。

デザインが広告において重要なのは、視覚的に強い印象を与えるだけでなく、ユーザーに行動を促す力があるからです。たとえば、ある商品を購入してもらうためには、色彩やレイアウト、フォントの選び方一つで、商品の印象が大きく変わります。色彩心理やレイアウトのバランス、写真の配置やテキストの配置など、細部にわたる配慮が求められるのです。

また、広告は瞬時に「記憶に残る」必要があります。現代では情報が過剰に溢れている中で、消費者の注意を引くことは非常に難しいことです。そこで、デザイナーとしては、視覚的に目を引くだけでなく、メッセージが明確であること、そして消費者が直感的に理解できるような工夫が求められます。

広告に携わるとき、「人々にどう伝えたいか」ということを日々考えます。言葉だけでは伝わらない、感覚的な部分をどうデザインで表現するかが鍵となるのです。これが、広告デザインを担当するデザイナーにとっての楽しさでもあり、挑戦でもあります。

デザインと私の日常

私の日常の中で、デザインは決して「仕事」のみに留まりません。家の中のインテリアや、日々使うアイテムにもデザインの要素を取り入れることで、より快適で心地よい生活を実現しています。家具や小物、日々使う文房具、料理の盛り付け—これらすべてが「デザイン」として捉えることができます。

特にデザイナーとして意識しているのは、シンプルで使いやすいデザインです。広告のデザインにも通じる部分ですが、無駄を省き、必要なものだけを残すことで、より良い生活空間が生まれると感じています。シンプルなデザインは、心地よさと安定感を与えてくれるのです。

また、デザインを考えるとき、私は「ストーリーテリング」の要素を大切にしています。広告でも、商品をただ売るだけでなく、その背後にある物語や感情を伝えることが大切です。日常のデザインでも同様です。たとえば、家のインテリアを考えるとき、ただ機能的で便利なだけでなく、それを使う人の生活やストーリーを感じられるようなデザインを目指しています。

終わりに

「デザインと暮らす」という言葉には、単なる職業的な視点を超えて、デザインが日常の一部として私たちの生活に溶け込んでいるという意味が込められています。デザイナーとして働く私は、デザインがどこにでも存在し、日々の生活を豊かにする力を持っていることを実感しています。広告という特定の分野に限らず、日常の中で感じるデザインの力は、私の仕事に対する情熱をさらに深めてくれます。

デザインは単なる美しさを追求するものではなく、生活をより良くするための道具であり、表現手段であると思っています。アドファクトリーハーツの一員として、広告をはじめとする多くのプロジェクトに携わりながら、その力を実感し続けることができるのは、何よりも幸せなことです。これからもデザインとともに、日常を楽しみながら暮らしていきたいと思っています。